夏の風物


サンクスのレジにおいてあるのをつい買ってしまった。『関東怨念地図』とはなかなか粋なタイトル。しかも表紙に小さく「部数限定保存版」と書いてある。雰囲気の割に肩透かしな内容ではあるが、スポットの地図が写真付きで載ってあるのでちょっとした暇つぶしにできる。
VIDEOGAME BATONの時に挙げ損ねたが、PCエンジンのゲームに稲川淳二監修の「百物語」というものがあって、これがとてつもなく恐かった。後に他のハードでも登場したけど、案の定、PCエンジン版が最高だった。恐い話を1話消化するたびにろうそくが消え、百話すべて終わると何かが……という単純なノベル形式のゲームである。投稿形式の恐い話、稲川淳二の肉声による恐い話、学校の怪談、心霊スポット紹介と、いくつかのパターンに話が分かれていて、演出も凝っていてどれも深い味わいがあった。
http://www.j-inagawa.com/profile/稲川淳二公式サイト)

そういう話だったのか

今頃見てしまったわけだが……。脚本も執筆するこの監督の傾向というものがなんとなく見えてくる。『バイオハザード2』の脚本だけ書いて、こっちの方に集中するから監督をやらなかったというが、どちらかというと『バイオ〜』の方をちゃんとやって欲しかった気がする。ゲームとは全く力点が違ってきているが、それなりに映画は映画で楽しめる。
こういった「夢の対決」設定モノの映画としては『フレディVSジェイソン』に比べて興醒めだった。もっと人間なんか無視(皆殺し)して、思う存分に戦いに集中して欲しかった。

萌えバブル キター!

というのは「AERA」での特集記事。鉄道オタク向けの旅館、ボーイズラブ幻冬社が参入、「オヤジ」が萌えの対象に、声優人気、エロゲー、コミ結婚、萌えビジネスetcの内容。これが巻頭に来ている。他に何もなかったのかな……。そういえば今週木曜日からの東京国際レズビアン&ゲイ映画祭であるが、最終日に腐女子についての映画があるのでこれは必見か? タイトルは『青春801あり!』。
http://www.tokyo-lgff.org/2005/index.html

やられた……

仕事を休んで早起きしてリオデカーニバル狙いで雑誌の攻略を読み耽ったというのに、イベントの狙い台を確保できず、ずるずる打って高設定の可能性がほとんどなさそうだと判断して昼前に切り上げる。運良く内部ボーナス成立が入ってくれ、リオチャンスも1回入って、約1000GでBIG×3、REG×1だったおかげでマイナス1万で済むが、そのもやもやを北斗で晴らそうと思ってまださほど手のついていない台を打っているとずるずる引きずられてしまってあっという間にマイナス4万円。高確はすぐに入るのに、最近はそこからの展開が悪すぎる。
昼過ぎに帰ってから気分転換しようと2時間ほど銭湯に行ってきた。平日昼間のスーパー銭湯は老人ホームのようだった。

林由美香追悼上映@新宿国際名画座


さっそく初日に行ってきた。以下、鑑賞順に。

  • OLの性態 年下の男【旧題:OLの愛汁 ラブジュース】(監督:田尻裕司、出演:久保田あづみ、林由美香etc)99年

久保田あづみの役と対照をなす林由美香の助演は光っている。何度観てもすばらしい傑作。
そういえばDVDなどでドビュッシーの「月の光」がBGMとして流れている箇所。この作品で音楽はそれぐらいしか使われていないのだが、今日劇場で『OLの性態 年下の男』を観たら大胆にも椎名林檎の「ここでキスして。」が使われていて、さらにこの曲がすごく合っていて感動的だった。使用料の問題なのかな……

  • ペッティング・レズ 気持ちよくてとろけそう【旧題:ペッティング・レズ 性感帯】(監督:サトウトシキ、出演:佐野和宏、林由美香etc)93年

前半と中盤と後半で転調する作品。この3つのパートがピンク映画のある種の類型をそれぞれやっているようで面白かった。街(多くは新宿など)のパート、密室のパート、開放的な屋外(田園や草原や荒野)のパート。ピンク映画を観て面白いことのひとつは、知っている東京の風景がゲリラ的に撮られることで対象化される点である。林由美香が若かった。レズシーンの段取りも飽きさせない。

林由美香を観に行くならば3作の中でこれがベストだった。純真で夢に向かって真っ直ぐな林由美香とショーパブでダンサーをやっている女*1がそれぞれひとり旅の道中で出会い、親交を深め、東京に戻った時、お互いの夢に向かって進むことを誓い、その意志を貫徹できたならば3ヶ月後に再会しようと約束し、再会するまでの物語。時には松竹ホームドラマ風に、時には林由美香が描いている絵本のお伽噺のように、シビアかつ心温まる物語が展開される。
それにしてもこの映画での林由美香……なんて可愛いのだろう。かなり年上のダンサーの女を気遣い、親身になり、そしてお互い裸で抱き合い、セックスする場面の情感に心打たれ、その意志に感染した女ダンサーが、彼女を束縛しているショーパブのマネージャー(吉行由美が熱演!)の陰湿な攻撃に堪え忍ぶ姿に心打たれ、最初の再会は果たせなかったが、後に真の再会を2人が果たした後の、小雨の中で傘を投げ捨て、そっと薄い口づけを交わすシーンに涙してしまった。ピンク映画にはこんなに素晴らしい女優がいるのである。
横浜にも通わなくてはいけないな……

*1:女優さんの名前を忘れてしまった……全部平仮名表記だったような気がする。