童貞について

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20050724/1122213608
実際に童貞であるかどうか、ということより、そのことに過剰にとらわれていると童貞っぽく見えるんじゃないかと思う。そういえば、先日のレズビアン&ゲイ映画祭で上映されたハッテン映画『ワイルド・サマー』ではゲイ仲間の間で「どこからが浮気か」という問題が延々と議論される場面があって、これが映画の内容から遊離してしまうほど苛烈になされて面白かった。キスしたら浮気か? しゃぶったら浮気か? 挿入したら浮気か? 人によって認識は違う。そもそも何がセックスかという問いもある。『D.T.』は読んでないが、童貞ということについても、いろいろな認識がある。セックス体験の時期は大きくかかわってくる。前に宮台真司宮崎哲弥が何かで言っていたと記憶しているが、セックスが遅かった宮台真司とセックスが早かった宮崎哲弥ではオナニーへの認識が違っていた。もちろん前者がオナニストになりやすいわけで、ぼく自身もそっちの仲間である。
以前通っていた映像関係の専門学校では20代後半の人が多数を占め、その内7〜8割が男だったわけだが、さらにその内8〜9割が(推定)童貞だったと思う。少なくとも親しくしていた人はほとんど童貞的なメンタリティだった。しかし、その中には童貞であるにもかかわらず童貞的なメンタリティから自由な人もいて、童貞ではないぼくの方が童貞的なメンタリティに近かったりして、その精神性には憧れていた。端的に言えば、解脱しているように見えた。一方、ぼくは大学時代様々なバイトをやりまくっていたのだが、派遣会社系などのバイトでは雇い主が20代前半でぼくと同い年ということがたびたびあった。すごく仕事ができて睡眠時間もろくになくて、アグレッシブで話も面白く、コミュニケーション能力が高いタイプの人間である。そういった人とセックスの話をするとストレートに「やりてぇ〜」と言い、時間がある時に彼女と会うとやりまくっているとか言っていた。仕事への取り組みとセックスへの取り組みはほぼ同じだ。むろん、オナニー<セックスなのだろう。
ぼくなど、彼女と「いつオナニーした?」みたいな会話を日常的にやっているぐらいなので、そういうタイプの人とは根本的に感受性が違う。だから、仕事に対してもやる気が起きないのかもしれない。