バイト終える

史上最悪のバイト…今日のバイトはそれ以上でも以下でもない。何が「江戸幕府開府400年」だ!早朝書いた日記を見て、ぼくはその時点でかなり楽観視していたのだなと改めて感じた。まさか当日にこれほどまで事情がキチガイじみているとは思わなかったし、主催会社の段取りが悪いといっても当日にはなんとかしているものだとばかり思っていた。ところが、ぼくの「やさしさ」はもろくも打ち砕かれる。「恩を仇で返す」そういう言葉が思い出される。ぼくがディレクターを担当した部署において、何から何まで前日までに聞いていたことと違うのだ。そして、担当の城○小学校(自主規制)のキチガイじみた人間ども。東京駅の前の狭苦しい路地。その小学校をイベントのために借りたわけだ。もちろん、借りているという立場から、ぼくたちは学校関係者に最大限の配慮を行わなければならない。そして、ぼくはできる限りそれを実行した。けれど、返ってくるのはオウム返しの「聞いてない!」「そんなことできるわけない!」「筋を通せ!」という言葉の渦。少なくとも、ぼくが接した教頭、守衛はバカというか、コンプレックスの固まりで、若者への嫉妬心から侮蔑の言葉をたたみかけてくる。理不尽な怒りをぶつけられ、ぼくは彼らへの同情心を超えて、こんな人間がいるのか…というコミュニケーションへの絶望を感じてしまったが、仕事なので仕方ない。我慢する。奴らを高く吊せ!
まあぼくやぼくが担当したスタッフのみんなは、そんな家畜どもへの侮蔑や怒りを感じつつも、ぼくたちをこんな理不尽な環境に追いやった雇い主たちにさらなる理不尽さを感じるのだった。おかげで、スケジュールは大幅変更。作業開始時間は2時間弱遅れる。それまで説教じみた彼らのガス抜きの手伝いをするはめになる。パレードに参加する全国からやってきた様々な出演者たちは、ぼくたちにとってのお客であるから丁重に接しなければと、午後になっていろいろな作業に忙殺されるが、出演者の方々はとても礼儀正しく、お互いに気持ちよく接することができた。くそ、忌々しい学校の蠅ども!あいつらと接する小学生たちよ、決して世界を呪うな。あいつらが世界や社会を代表しているかのようにふるまうのは、己の腐ったチンポへの恥ずべきコンプレックスに過ぎないのだ。小学生たちよ、街へ出よう。ぼくも街にでるぞ!
すべての作業が終わる前に、ぼくのスタッフのひとり(♀)が件の守衛にセクシャルな侮辱を受ける。あいつはまったく無関係な女の子に「あんたみたいなのは医者に嫁いで甘い汁を吸うんだろ?図星だろ?」みたいなことを言い「あんたらの顔は二度とみないだろうけどな」と捨て台詞を吐いたのである。彼女は悔し泣きしてしまった。久しぶりに心底嫌な大人を見た。忌々しさでやりきれなくて、あいつを日本刀でぶったぎってやりたくなったほどだ。追い出された後、ぼくは強く後悔した。あれほど日和見主義は嫌だと呪っていたのに、バイトの立場ということに日和ってしまったのだ。あんな国賊には大いなる天誅を加えるべきなのだ。明日にでも理不尽な暴力によって死んで欲しい。ぼくは日和見主義的に問題を覆い尽くし、いくらかのお金を稼いだが、これは労働によって人間性が疎外されたのだと言えるだろう。ぼくは民族派右翼的に、野村秋介的に、肉体言語によってあのような蛆虫に謝罪を命じるべきだったろう。こんなぼくがディレクター=監督と言えようか。二度と同じ過ちはしないと強く思う。