電子印鑑システム

http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20031124183941-LLUAEHXTXQ.nwc
便利だなと思う反面、こういった試みには常に不安が付きまとう。改竄があった場合に遡及可能なシステムといっても、工学的な知識・技術の(事実上の)階級差によって、その低位置にあるものはいくらでも利用されてしまいそうな不安を覚える。これは社会の不透明感から生じる陰謀論的な妄想に過ぎないかもしれないが、工学的なアーキテクチャーはセキュリティに力を入れれば入れるほど複雑になっていて、ぼくのようにインターネットに興じるぐらいの中間層には、現状でさえ複雑すぎてその理解を断念してしまいたい思いに駆られる。けれども、便利なツールならいくらでも使いたいわけで、結局アーキテクチャーに無知なまま、利便性に乗っかってしまうのである。
エリート層になれそうにもなくて、かといって利便性を断念できないのであれば、セキュリティ不安に目を閉じ、思考停止して、ただ「動物化」するのに任せるしかないのだろうか。時々、そういった煩わしさに怒りが込み上げ衝動的になるのは、あのテロリストの心情に共通するものかもしれないのだ。