『兵隊やくざ★強奪』

シリーズ完結編。監督は『兵隊やくざ 大脱走』に引き続いて田中徳三である。いよいよ戦争も終結田村高廣勝新太郎の2人は本土帰還を目指してひたすら大陸を歩き続けている。しかし、軍隊との腐れ縁は未だに健在だったのだ。ばったり出くわした関東軍は、戦争が終結したと伝えても聞く耳持たず2人を牢獄に閉じこめるのである。
いよいよネタが尽きるかと思いきや、なかなか飽きさせない展開である。すでに「兵隊やくざシリーズ」1作目が終わった時点で、ミニマリズム的に短いスパンの物語を細かく引き延ばしている傾向があるが、その細かなエピソードが飽きさせないのだ。多少無理のある展開には疎外感を覚えるが、痛快な破天荒ぶりはいつもながらに楽しめる。シリーズ完結ということもあってか、今回ばかりは痛快さよりも人情味に比重があり、物足りないといえば物足りないが、ついに「兵隊やくざシリーズ」も最後かと思うと少し寂しくなってしまうのだった。