時流に乗って

『20世紀ノスタルジア』を見てしまった。広末涼子という要素も大きいが、原将人という要素も大きい映画である。いつかは見たいなと思っていたから、時の流れに乗じて今こそというわけだった。
率直に言って、とても感動する内容だった。広末や出演者自身が撮っているハンディ・カメラの映像を効果的に交えていて、ミュージカル調のシーンなんか見ていて心が踊ってくるような楽しさだ。それに原将人が作詞・作曲したコミカルな歌もすごくいいと思う。アドリブっぽさをそのまま採用しているところも調和していて、やはり原将人だなぁ…と見入ってしまった。早川義夫のインタビュー映画を思い出した。
映画のテーマだって、一部のライトノベルやギャルゲーなんかで今やっているような世界と自意識のあり方を、うまく着地させるハッピーエンドとして描いていて、それなりに希望がもてるようなものになっているのだ。もっとも、些末な部分を挙げ連ねるより先に面白いと感じられる映画だった。『秘密』よりもずっと良かった。