郊外型ショッピングモール

先日母親からのメールで「『ゼブラーマン』は小学一年生の子が観ても問題ないかな?同僚の看護婦さんの子供が…」というようなことを訊ねてきた。ぼくはちょっと迷った*1けど、自分が小学一年生だったらと想定したら観たいに決まっているので、オッケーの返事を返した。
ぼくの一存で『ゼブラーマン』を観るか観ないか決まるということは、その小学生にとっては大きな問題となるに違いない。ぼくは小学生の頃、木梨憲武の「仮面ノリダー」が観たくて観たくてしょうがなかったのに、ほとんど親が観させてくれなかったという積年の思いがある。その代わりに「ギルガメッシュナイト」をビデオ録画してこっそり観てはいたが…。
しかし、ここでのぼくの疑問は、なんでぼくの田舎で『ゼブラーマン』が観られるのかということである。ろくに映画館など存在しない田舎には、電車で約1時間要する街にかろうじてポルノ映画館と二番館があって、新作は東映アニメや『釣りバカ』みたいなやつしか上映してくれなかったはず。けれど、3〜4年前にできた大型ショッピングモールとシネコンが大きく状況を変えたらしい。常に10作品以上の封切り映画が上映されているのだ。もっとも、このショッピングモールは郊外の何もない場所に建てられていて、周囲に電車も存在せず、車で1時間弱の場所にある。
つまり、子供は運転のできる大人としか訪れることはできない。これはゾーニングやフィルタリングの問題なのだ。ぼくが小学生の頃だと、ちょっと無理すれば電車を使ってポルノ映画だって観に行くことが可能だった。そういうことを考えると、ちょっと前に話題になった、横浜市で子供の夜間外出が禁止になるという議論が思い出されたりもする。
一方で大型ショッピングモールの出現は、地元商店街を空洞化させ、潰れないにしても閑古鳥が鳴いている状態だ。この前帰省した時もそんな感じだった。これでは「探検ぼくの町*2」ができない!ぼくが小学生の頃は歩いて30分ぐらいのおもちゃ屋(「おとぎの国」という名前だった)に行って『ワギャンランド』をプレイするのが魅惑的な冒険だった。地元商店街の怪しげな店に行って万引きするのもこの上ない愉しみだった。しかし、件の小学生にはそんな密かな愉しみさせ与えられない。それならせめて『ゼブラーマン』でも…というわけである。

*1:その看護婦さんがどんな人か知らないし、親子で観に行って気まずいことになった場合、間接的にぼくの評価が下がってしまう…と考えた。

*2:NHKの傑作番組。