コーエン兄弟最新作

tido2004-04-11

(このところずっと日記を書くのが数日遅れになっているが…)
板橋のワーナー・マイカル・シネマズで『ディボース・ショウ』を観る。休日だし、けっこう混むのを覚悟で正午過ぎに観にいったのだが、意外にも5人ほどしか観客はいなかった。
冒頭からコーエン兄弟の語り口は健在で、これは『ビッグ・リボウスキ』みたいになるのかな…と思ったりしたけど、ひとつひとつのエピソードにこだわらず、あっさり流してしまっているので、『オー・ブラザー』を観た時の印象に近かった。しかし、やはり時代を反映しているのか、昨今のハリウッド映画の多くと同じように、この映画も流動性をモチーフとした内容になっている。そういう現実を反映した内容になっているにもかかわらず、ひとつの作品として虚構性を維持しているのは、ジョージ・クルーニーキャサリン・ゼタ=ジョーンズの存在に他ならない。この2人が現れるスクリーンには、現実の生々しさなど生じようはずがない。そういえば、コーエン兄弟の映画のキャストは、虚構性を維持するために最良の人選をしているように思える。
そんな感じだから、いくら現実にありそうなテーマを用いていても、コーエン作品は、虚構的なエンターテイメントとして観てしまう。ぼく自身は、ある時期までコーエン兄弟映画にはまっていたけど、最近はあまり興味をもてなくなった。そんなに新しいことをやるわけじゃないし、飽きたのかもしれない。とはいっても、『バーバー』は面白かった。『ディボース・ショウ』はどうだろう。コーエン兄弟の映画が好きならば楽しめるだろう。