学割で観るピンク映画

シネロマン池袋にて半年ぶりぐらいにピンク映画。

  • 凌辱めす市場 監禁(監督:上垣保朗、脚本:ガイラ、出演:麻生かおり、池谷沙恵etc)
  • 熟女レズ 急所舐め(監督:下元哲、出演:高橋奈津美、河村栞etc)

2作ともなかなかの内容。前者は途中から観たけれど、ロマンポルノ末期のエネルギーが漂う映画。埠頭の倉庫や地下鉄の逃避行やラストの空撮(『ダーティハリー』のラストみたいな感じ)などのただならぬ迫力。これはあの時代でないと見られないものだろう。銃撃や血のりなどもしょぼすぎず、色褪せたフィルムの質感も良い雰囲気を醸し出していた。もっとも、物語自体は対したものじゃない。監禁され、調教され、奴隷に仕立て上げられようとしていた女を、その組織の男が組織を裏切って女を救いだし、逃亡を図るのだが、一時別れて待ち合わせ場所に行くと男は死体になっていて、女は呆然としゃがみ込むところで完、という内容だった。
一方、後者はうって変わって現代のピンク映画。2002年の映画。低予算のピンク映画ではよく見るタイプの映画で、ある一家が中心となって描かれ、中年の男と中学生の娘、その後妻の3人が各人が表面的には家族しているが、実際はばらばらの内面、性生活を営んでいて引き裂かれているが、どんでん返し(後妻が伝言ダイヤルでレズテレフォンセックスをやっていた相手が実はS女でもあった中学生の娘だった)によって、3人が奇妙で唐突な邂逅を得るというものである。この映画は、そんな感じだから物語に心打たれるというわけではないけど、出演者がそれぞれ持ち味を出していて、また撮影もなかなか凝っていた。しょぼいピンク映画独特の行き過ぎた誇張表現も、リアリティを損なわない工夫が凝らしてあったりして、また重要なことにエロティック(ただセックスを繰り返すだけのピンク映画なら本番するAVに劣るに決まっているのだ)でもあった。
久々にピンク映画を観たけど、ちょっとした「当たり」だったおかげでまた観ようという気になれた。