ピンク映画のエキストラに参加する

歌舞伎町で映画を観た後、とあるストリップ小屋にてイベントの手伝いバイト。日を追うごとに人が減っていくのはこういったイベントの常であり、作業は大変になるが、人が減った方が精神的には気楽でいい。身体はへとへとになっても清々しい朝を迎えることができた。
そして、朝になるとそのまま新宿中央公園へ。吉行由実監督作品のピンク映画にエキストラとして参加した。7時半から11時半までの4時間という予定で、12時前には終了していたという段取りのよい現場だった。さすがピンクである。
エキストラとして集まった20人ほどは濃い人たちばかりで、なぜか柳下殻一郎氏も参加していた。ピンクの現場を見てみたいという思いで気楽に参加したのだが、けっこう出演場面があって、20人程度で様々なカットを固めるわけだから当然重複箇所が何度も出てくることになる。林由美香さんをはじめ3人の女優と絡むカットもたくさんあったので、少なくとも3〜5カットぐらいはまともに映っているのではないか。彼女らが演じる「MISS PEACH」に桃を手渡されるところなんか絶対映ってしまっている。
スタッフは7〜8人しかいないので、昼頃になって人通りの多い路上で撮影していてもそれほど目立たず、娘たちが桃ジュースを配り、役柄上対抗すると思われるスイカ娘たちにいちゃもんをつけられる場面では、普通におばさんたちがジュースをもらいに来たりしていて、女優さんやスタッフがこれは撮影ですからと伝えているのが面白かった。しかし、これもさすがピンクで、スイカ娘に土下座するカットでは、下着か水着か分からないけどずれたブラから女優さんの乳首がはみ出していて、新宿オフィス街とこぼれた乳首というギャップに眩暈がした。
徹夜の疲れもふっ飛ぶ現場だった。エキストラマニアみたいな人がいるかと思えば、アパレル関係の人がいたりメイキングをつくっている人がいたり、本当に濃い人たちばかりで、エキストラなのにこんな自意識の強い人たちばかりでいいのかなぁ……と余計な心配をしてしまったが。ぼくは、知人に誘われて来たという人と妙に和んで話していた。助監督はベテランのカメラマンの人に怒鳴られてばかりだった。吉行さんは淡々と演出している感じだった。公開されるのが楽しみだ。たぶんタイトルには「桃」か「ピーチ」が入るのだろう。台本に書かれていたタイトルは目にしたけど、どうせ卑猥なタイトルがひねり出されるのだから。