ロシア的?
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血液交換実験で思い出すのはロシア革命時代の多才な理論家であり科学者であるアレクサンドル・ボグダーノフ。政治的にはレーニンに破れたことになっているが、党内の影響力もかなりあったらしい。これを読んでも優れた理論家だということが分かる。
- 作者: アレクサンドルボグダーノフ,Aleksandr Bogdanov,佐藤正則
- 出版社/メーカー: 未来社
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 単行本
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The Struggle for Viability: Collectivism Through Blood Exchange
- 作者: Alexander Bogdanov,Alexander Bogdanov Huestis,Douglas W. Huestis
- 出版社/メーカー: Xlibris Corp
- 発売日: 2002/07/01
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ボクダーノフのSF小説『赤い星』は革命ユートピア小説であるが、大正ぐらいに翻訳されたものはなかなか手に入れることができず、こっちは短いので英語訳で読んだ。ロシアSF関係の文庫に所収されている「技師メンニ」という『赤い星』の続編と併せて読むと面白い。沼野充義の『ユートピア文学論』で論じられている通り、科学者ボグダーノフは厳密に科学的な根拠などを構築したSFを志向しつつも、やはりどこかで空想への志向ももちあわせていた。そんな情熱こそが血液交換による医療の実現へと彼を促したのだろう。現代の科学はボグダーノフの「ユートピア」に限りなく接近したのだと思うと、倫理的な問題はひとまず措くとして、感慨深い。
ところで「生首犬」の記事を読むとサガノヘルマーの漫画『BLACK BLAIN』を思い出す。夫の暴行によって子供を産めない身体にされた女が男への復讐心を募らせるあまり、女を操って男を捕え、生首だけで生き永らえさせるという話。接続されているボタンを押せば、出産の苦痛を男に与えることができる。その話は余談だとして、確か生首だけで過去の偉人を再生させるという話がロシアのSF短編小説にあったような気がする。実際、リンク先の記事もソビエト連邦の実験だと書いている。ロシア的な想像力……。本気で死者を蘇らせようと考え、在野で思想を展開し、ドストエフスキーやソロヴィヨフなどに多大な影響を与えたフョードロフもいた。まだまだロシア思想には開拓の余地がある。ロシア語の勉強を再開しないといけないなぁ。