ヤマあり・オチあり・イミあり!

tido2005-07-18

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭最終日。青山スパイラルホールB1にて。30分前に行くとすごい行列だった。9割9分が女性。一瞬躊躇したが、上映後トークも含めて最後まで観てきた。
どうやら日本映画学校のゼミ作品として撮られた映画のようだが、傑作だった。冒頭の小規模なコミックマーケットでの様子は、過剰な演技などのせいで安っぽく見えてしまったが、時間を追うほど登場人物たちが輝き始め、物語展開も加速する。「やおい」という題材をうまく学園青春映画に導入している。やおい(あるいは女オタク)とギャルのクラス内の争いが面白い。その狭間で揺れるヒロイン。彼女のぶれやすさ、挙動不審ぶりも徹底している。仲間たちとのキャラの使い分けが明確で気持ち良い。しかも、最終的にみんな愛される人物として描き分けているし、ヒロインの決意、ラストシーンの演説には笑いながら感動できた。
上映後のトークショーで、渡辺直美監督(元SPEEDの今井絵理子似の美人!)は自らの「やおい」体験を生かしたと語っていた。トークショーの相手はゲイ漫画家(名前は忘れてしまった)で、ボーイズラブとゲイ漫画のファンタジーの違いとか、物語上の同質性とか、大変興味深い話をしていた。ただ、短い時間と映画祭だからいちいち通訳が入るせい(見た感じでは外国人の人は1〜2人程度)で話が途切れがちになってしまい、ディープな話の一歩手前にとどまったのは残念だった。そこには面白い問題が隠されているかもしれない。