デロデロ

tido2006-05-14

DVDにて。
ある面から見れば単なるサイコホラーな話をこんなふうに描くのは新鮮である。地下帝国みたいな場面は笑いそうになってしまったけど、たいして予算もないはずなのにそんなことをやろうとする野心には尊敬の念を抱く。ユーロスペースの「ホラー番長」シリーズで上映されたものだが、結局ぼくは高橋洋の『ソドムの市』しか観に行けなかった。どちらも怖さはそれほど感じないが、ありふれたリアリティを覆そうとする野心的なものであるのは確かだった。塚本晋也が良いので『稀人』という映画のリアリティについて行けなくてもそれなりに楽しめる。8ミリで撮ったらもっと禍々しく面白いものになりそうな感じもする。あるいは小中千昭が脚本なのだし、『邪願霊』のようにビデオというフレームの怖さを徹底したものとか。『稀人』では塚本晋也が劇中で使用するDVの映像がざらついた画質で使用されているが、それほど印象に残るものではなかった。