底なしの海

今週から東京にもパチンコ「CRスーパー海物語」が導入され始めた。大阪や福岡や名古屋など全国の主要都市ではすでに先週から導入されていて、ちらほらと稼働状況なども耳に入ってきていた。初期出荷台数の限りもあるから、店によっては入れたいのに入れられない場合もあるし、大型店でなおかつほとんどを大海物語などの海シリーズで占めている場合、中途半端にスーパー海を入れても、大海の稼働が落ちてしまうだけで何のメリットもない。総台入替が望ましい。かといって、基本的に今のCR機の場合、いくつかのスペック違いも出ることだし、新海と大海とスーパー海のどこが違うかといえば、表面的な演出、リーチアクション、登場キャラクター(マリンちゃんとサムというこれまでの看板キャラクターに加え、スーパー海にはワリンちゃんが登場する)、筐体のセルやフレームなどが違うというぐらいである。
そういうわけでちょっとだけ導入店舗を仕事帰りにのぞいてみたら、案の定ギャラリーがびっしり張り付いてスーパー海の島を盛り上げていた。もちろん、当分は釘は甘くなっているだろう。今なら迷わず打っても損はないだろう。確率的にはミドルスペックだからハマるときはハマる。約350分の1というのは絶妙な数値だ。最初にパチンコの大当たり確率を知った時は、365日と関係あるのかと思ったりもしたけど、300〜350分の1ぐらいの確率には人を翻弄する力がある。1000円で大当たりを引く確率がそれなりに高く、ビギナーズラックの恩恵にあずかる可能性があり、その反面、底なしのハマリの不安にも苛まれてしまう。絶妙の確率。
高確率で大当たりを引き、まったり遊べる羽根物、あるいはデジハネタイプの昨今の人気は人々の体感する「絶妙の確率」が変化している表れではないかとも思ったが、海シリーズの人気を考えるとやはりメインはミドルスペックのおよそ350分の1であるのだとも思う。
そんな確率に今夜は翻弄されてしまった。パチスロ新世紀エヴァンゲリオンのビッグボーナス確率もまさにその辺である。高設定濃厚な台を仕事帰りに発見し、7時ぐらいから回し始め、200G前後でボーナスを引き、まったりと下皿遊技を続けていたら、突然800ハマリで追加投資。その後は再びコンスタントなボーナスで、コイン持ちも良く、ますます高設定を確信して、ようやく早いゲーム数の連荘。あと1回早いゲーム数のボーナスで1000枚は超える、そしたらヤメようと思ったところ、確率の魔に襲われてしまった。1000ハマリ……持ちコインをすべて飲まれ、追加投資するもハマリから抜けられず、もう投資額の回収さえ見込めない時間になってしまったので、意気消沈して店を後にしたのだった。ハマっている時のいつまでもこのまま引けないんじゃないかという底なしの不安。これだけやり込んだら慣れてもいいはずだが、この不安に慣れることはない。逆に、この不安がなくなったらギャンブルに対して歯止めがきかなくなってしまうだろうが……