義母、秘書、熟女

  • 義母同窓会 息子を食べないで!(監督:新田栄、出演:水沢ゆりか、林由美香、葉月螢etc)
  • その秘書婬乱につき!(監督:池島ゆたか、脚本:五代暁子、出演:神無月薫、林由美香吉行由実etc)
  • 和服のノーパン熟女 裾から匂う毛(監督:新田栄、出演:加賀雅、林由美香etc)

シネロマン池袋にて。今日が一周忌となる林由美香特集。
どれも脇役での出演で、『義母同窓会』以外は出番も少ないけど、ピンクにおける存在感はさすがである。『その秘書婬乱につき!』はけっこう前の作品で、AVで観られるような林由美香の幼さが魅力的。新田栄の2作はそれぞれ義母と秘書で魅惑的な女を演じている。割と最近の林由美香の姿。
新田栄のピンクには食傷気味。映画の大半をセックスシーンが占め、物語も告白回想モノといったパターンが多い。とはいえ、じっくり観てみると、濡れ場の持続感はすごいんじゃないかとも思った。少ないカットで、パターンは決まっているにせよ、体位もいろいろと工夫しつつ、中途半端にはだけた着物が挿入と共にはぎ取られるという一連の運動にはそれなりの爽快感がある。『和風のノーパン熟女』に限っては、匂いと記憶のモチーフを色彩に絡めて効果的に用いていて、今まで観た中でもなかなか良い出来だった。
池島ゆたかに関してはさすが。バブルの名残を感じさせる時代のとある会社を舞台に、ひとりの秘書を中心にした物語が群像劇的に展開される。そのスピードとコメディ調のテンポ。サスペンス的な演出もあり、娯楽要素はてんこ盛りである。そういえば、これと似たような池島コメディを3〜4年前に観た。確かPGの女優賞とかも取っていたな。『その秘書婬乱につき!』のラストは鬼畜系エロマンガなどによく見られるように、秘書が椅子に縛り付けられ、バイブを突っ込まれたまま、ケーキのクリームを全身に塗られ、卑猥な言葉の書かれた張り紙を数枚貼付けられた姿で、出社して来た同僚に発見されるというものだったが、秘書を演じた女優の微妙な表情で終わったのが良かった。ロマンポルノの末期などにもこういった感触で終わる映画はいくつかあった。あるいは角川映画にも言えるかもしれないけど、バブル期と映画で描かれるある種の女の顛末というのは何らかのかかわりがあるのだろう。村上龍の『イビサ』などにも言えるかもしれない。