割と高度なPシネマ

ビデオにて。『ワイルド・タッチ』シリーズに比べると役者の顔ぶれもさることながら、なかなか良くできている。監督がホラーVシネマでおなじみの鶴田紀男というのもポイントだろう。語り口はあっさりしているけど、淡々と楽しめる。登場する機種などを見ると一昔前であるのが分かる。まあ、役者や風景を見ても分かる。藤岡弘が酔っぱらいで髭面の悪徳刑事を好演している。
原作が業界で有名な下田一仁というだけあって、ゴト関係の描写は詳細にわたっていて、それを見るだけでもかなり興味深い。こういった映画の場合、パチンコホールの協力はどんな感じで行われるのだろうか。『ワイルド・タッチ』の場合は、あからさまなマルハンの広告みたいになっていて、雰囲気が台無しになっていたけど、『ゴト師株式会社』のホール描写はなかなか雰囲気が出ていた。小さい頃、父親に連れていかれたホールの雰囲気である。実家に帰れば、未だ地方の小さなホールには似たような感じがあって何とも香ばしい。慎ましさと怪しさ。オシャレ化、ポップ化の進んだ今のホールの感じはあまり好きではない。