『座頭市 逆手斬り』

森一生監督。撮影は今井ひろし森一生はけっこう色々と勝新の映画を撮っているものの、イマイチな作品が多い気がする。まあ『薄桜記』を撮っている監督だということを考慮しても、勝新太郎の魅力とは違った演出をするのに向いた才能の持ち主なのだろうか?ということで、今回もあまり面白くない。
ロケーションが独特で、荒涼とした断崖や海辺を歩く座頭市のシーンは独特なものがある。偽座頭市との掛け合いは面白いが、この映画全体を考えるとうまく調和していない気がした。悲劇なのか喜劇なのかはっきりせず、個人的な印象では感情が宙吊りになるといった感じだ。またもヒロイン不在*1というのも物足りなかった。それぞれの場面の風景は良いから惜しい作品である。

*1:それに準ずるぐらいの女は出てくるが中途半端だった。また続編で登場するかもしれないような…