メモ:市川雷蔵と勝新太郎

勝新太郎自身による自伝『俺勝新太郎』には次のような記述がある。

芸風という風がある。
雷蔵という人は、まねる、まねぶ、まなぶという三つの道を通っていた。
まねる−自分のえらんだ人のまねをする。
まねぶ−そのまねた殻からぬけ出す(殻を破る)。
まなぶ−一人前になり自分だけの個性で人生(芸風)を歩いていく。

勝新太郎市川雷蔵を、普段は「銀行員のように目立たない人」だといいながら、その3つの要素を体現した魅力にはかなわないと言い切っている。そして、雷蔵の存在があったからこそ『不知火検校』に始まる勝新の魅力が開花したのである。だからこそ、勝新太郎を考えるにあたって市川雷蔵の存在はとても重要であるに違いない。
勝新太郎映画祭の『花の白虎隊』は今日、明日の2日間上映する。日曜日は先週も混んでいたから明日観に行くとしよう。