ニューイングランド的情念
日本でも公開されて好評なクリント・イーストウッド監督の映画『ミスティック・リバー』は、正にそのようなニューイングランドの草の根の情念を描ききった作品と言っても良いのでしょう。青く暗い川のイメージ、落ち着いたボストンの下町、そこで何かに耐える不幸を背負いながらも、辛うじて耐えてしまう底力持った人々の情念が渦巻いている、そんな風土が表現されています。
JMM冷泉彰彦のUSAレポートより。なるほど。そういう情念の流れがミスティック・リバーの流れと重なってもいるのか…。イーストウッド映画における縦軸も重要。底を流れる情念。「幽霊の西部劇」などは確かにそんな感じがする。『荒野のストレンジャー』『ペイルライダー』『許されざる者』。