決意表明

火曜の朝はつらい。1限目から「ロシア語作文」が待っている。2限目には『巨匠とマルガリータ』をロシア語で読まなければならず、夕方から翌朝までのバイトの前に疲労はピークに近づく。
『「非国民」手帖』を読んだ。表紙に穿たれたハンマーの絵のように、『噂の真相』のコラム「撃」の言葉はぼくにとってのハンマーとなるだろう。忘却と融和のシステムが働く日本という国で、これほどまで原理的な思考を徹底、維持し続けることはすごいことだと思う。断片的に読んでいた時はあまり感化されるものはなかったが、こうしてまとまったものを読んでみるといたく刺激を受ける。ぼく自身、「撃」の執筆者のような内なる批判者を常に持ち続けたいと思った。しかし、すぐにそんなことを忘れてしまいそうだ。
やはり、忘却と融和のシステムは歴史をさかのぼって起源を掘り起こしていかなければならないのだろう。そして、常に遡行の意識を自らに植え付ける。自分がどんな文脈に立っているかということを、常に瞬間瞬間で改めていかなければならない。そうしたことを怠って、忘却と融和に身を任せてしまうのは確かに楽だ。なぜなら、社会の方で忘却と融和に身を任せるように働きかけてくるからだ。それに抵抗するのは暴力をもってしかない。『「非国民」手帖』のハンマーを持って抵抗するのだ。
卒論という形式上の関門をすり抜けて行くのは容易いが、あえてその門をハンマーで粉砕することこそ、忘却と融和に抵抗することにつながっていくだろう。身近な、具体的な実践から突破口を作って行きたいと決心する。