越境しない欲望

DVDにてラス・メイヤーの『ワイルド・パーティー』。これぞ『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』に通じる傑作。冒頭から結末まで恐ろしくテンポの速い編集。メロドラマの枠を逸脱してゆくのかと思いきや、ぎりぎりその形態に留まっているのかいないのか?3人の女を主軸として愛の物語を描きながら、その中の1人は悲劇の死を遂げ、最後は物語の途中から登場する1人の女を加え、3つのカップルが結婚式を挙げる。さらに傍流で登場する様々なキャラクター。群像劇としては、『ウルトラ・ヴィクセン』や『グッドモーニング・グッドバイ』などと通じるハイテンションと見事な着地にお腹一杯。ラス・メイヤーならではの、それぞれの人物の教訓を謳うナレーションを聞くと、なぜかしみじみとしてくるのだった。