家畜なんかじゃない!

tido2004-07-30

クーラーのない密室で20時間弱も働かされる中で小野登志郎著『ドリーム・キャンパス スーパーフリーの「帝国」』を読んでいると、熱さと忙しさの効果もあって腹立たしくて仕方なかった。本当にどうしようもない大学だ!六本木大学も早稲田大学も…。
そんな一夜が明けた今日、気づくとレポートの提出日が明日に迫っていた。エイゼンシュテインの『アレクサンドル・ネフスキー』を観てレポートを書き、在宅バイトを終えた後、新宿郵便局にて速達を頼む。350円。無駄な出費だった。もっとも、昨夜のバイトがあまりにも腹立たしかったので、8000円ほどくすねていて正解だった。そのうち半分はすでにパチスロ代に消えてしまったが…。
新宿郵便局から南口前を経由して東口側へと歩いていく途中、新宿国際名画座の前を通る。一応ラインナップをチェックしようと思って立ち寄ると…ん?何々…蒼井そらだって!どうやら蒼井そら主演のピンク映画を上映しているらしい。興奮して上映時間を確認するとまだ始まって2分たらず。その後、人と待ち合わせしていたが、それを考えても時間がある。すぐに1800円払って劇場へ。

  • 『制服美少女 先生あたしを抱いて』

監督・脚本の高原秀和はピンク映画18年ぶりというが、これはかなりの傑作だった。新宿国際名画座のどうしようもない音響設備(音声が小さい上に空調の音でかき消されてしまう)が唯一もったいなかったが、蒼井そらの魅力を押し出すと共に、群像劇的な人間の関係性を切実に描ききっていた。風景の捉え方もなかなかいい。どうやらこの映画は、ちょっと前にあった女子中学生高速道路転落死事件にインスパイアされているらしく、若松孝二から昨今のピンク・ヌーヴェルヴァーグのピンク映画の雰囲気を継承している感じがした。もう一回ぐらい機会があれば観ようと思う。工藤雅典(この人のピンク映画はけっこう好きだ)による高原監督インタビューは↓だ。現在のピンク業界の話にも触れていて面白い。
http://www.dgj.or.jp/japanese/news/takahara.html
良い気分になって待ち合わせの時間まで歌舞伎町をうろうろする。とある裏ビデオ屋に入って物色していると、店員が缶コーヒーをくれた。他の客にも同じように振舞っていて、なぜかみんな和んで新作について語らっていたりした。
6時になり、知人と合流して用事を済ませつつ、2〜3時間ほどいろいろと語り合う。久しぶりにナイーヴな思いを吐露してしまったような気がするが、それも蒼井そらのおかげだろう。
家に帰ってテレビを眺めていると、NHKの「視点・論点」に森川嘉一郎が出ていてとてつもなく違和感があった。あれは異化そのものだった。秋葉原やオタクについて大いに語って欲しいものだ。
明日からの『ドリーマーズ』に備えて、さて、『ラスト・タンゴ・イン・パリ』でも観て寝よう。