物語の加速度

tido2004-08-05

シュレック2』は傑作だ!前作を超える加速度的な語り口に魅了される圧倒的な90分。『キング・アーサー』の半分ぐらいの時間で10倍以上は楽しめる。アントニオ・バンデラスが声を担当した「長靴を履いた猫」は本当に素晴らしい。
この映画には、表面上はまったく異なるが『デ・ジ・キャラット』に似たテイストがある。それは、国の名前を抽象化しているといった細々した要素だったり、ほとんど無意味に画面の隅で繰り広げられる「演出」だったりすることもあるのだが、やはり圧倒的な語りのスピードにあるだろう。冒頭から『スパイダーマン』のキスシーンのパロディが挿入されたり結末には『ロード・オブ・ザ・リング』のBGMが引用されたり、他にも数え切れないほどいろいろな目配せをしているのだが、まったく気にならないほどさりげなくやり過ごされ、何度か挿入されるミュージカルシーンは確かに物語を停滞させはするが、ハイスピードでまとめられ、すぐに加速度を取り戻すのである。
もっとも凡庸な映画よりも的確な構図や編集なども誉められるべきだけど、やはり特筆すべきはCGをフルに活用した語り口の巧さに収斂するだろう。
…とここまで書いて調子づいてきたが、今日もこれから忌まわしいバイトの時間。