いざストック機

朝一でイベント狙いで列に加わり、阿部和重の『無情の世界』を読みながら開店を待っていたら、肌寒さと共に無情さに突然打たれてしまって、どうやら今日も勝てそうにないな……という気分に陥っていた。むなしい……むなしいが食うためにやるしかない。背水の陣だ。朝、コンビニ内のATMに立ち寄ると、祝日を挟むため25日の給料がすでに振り込まれていた。しかし、これは家賃行き。一瞬だが、潤沢な資金が出現したかのように錯覚してしまった。本当は負けられないのだ。
3台に1台が設定5、6というイベント機種は北斗。迷わず北斗狙いである。1台、2台とあまり芳しくなく、3台目スイカの連続から一気にボーナスを揃えられる状態へ。7を狙うとズルッとスベっていきなりの北斗揃い。しかもレインボーオーラ! 最高の滑り出しだ。しかし、油断はならない。いきなり剛掌波。そして単発……。ああ、もう勝てる気がしない。ボーナス後、高確でないことを確認してヤメ。あまりの失意にふらふらと中途半端に南国育ちやらボンバーパワフルやらを打ってしまい。あっという間に資金源の大半であった2万円を失ってしまった。
ここで終わるわけにはいかない。夜のバイトまでは時間がある。店を変えて、北斗、ヒデキを打ち……当然のように金を失い、残った2千円を17Gだけ回されてある吉宗につぎ込む。すると2千円目、奇跡的にチャンス目解除、久しぶりのBIGだった。まあ単発ではあるが。かろうじて生き残った。再びこの金をどこにつぎ込んでやろうかと店内をうろつき、さほど客がついていないウィニングポストのシマへ。この機種は一度も打ったことがなかったのだ。ところが、また奇跡は起こった。5千円でBIGを引き、再び首の皮一枚でつながったと安堵していたら、そこから怒濤のボーナス約15連打。さらにその後も浅いゲーム数でボーナス連打。最後に900ハマリを食らってコインを減らしたものの、結果4250枚ほど獲得し、8万円が手元に返り咲いたわけだ。さすがストック機。やはりエヴァンゲリオンなど打つべきではない。ウィニングポスト、見直したぞ。そしてこの資金は明日のために……。