女囚とセレブと労働者

  • 獣のように後ろから セレブ奥様と植木屋(監督:松岡邦彦、出演:荒井まどか、葉月螢etc)
  • 女囚 檻(監督:小沼勝、出演:浅見美那、渡辺良子、室井滋etc)

シネロマン池袋にて。
前者は安っぽい『チャタレイ夫人の恋人』のような設定の物語。IT企業社長と中途半端なグラビアアイドルという組み合わせが笑えるが、植木屋も含めて役者の選出が良くてリアリティがある。プールのシーンで奥様が若い植木屋を誘惑し、排水溝の点検を言いつけるのだが、プールの横がガラス張りになっている部分があり、それを隔ててセレブ奥様と若い植木屋が対峙するエロティックな感じが良い。また、流行りのメイド姿のお手伝いさんが見せる二面性も歯切れが良いし、少しだけ登場するスナックのママが台詞にもあるように「メスの匂い」が漂ってくるようで良い。ピンクとしてもエロクオリティは高い方だった。
『女囚 檻』は小沼勝監督作。『女囚さそり』ほどではないが高いテンションの女囚劇が持続する。画面は概して暗く、先に観たピンク映画の印象も残っていたので、余計にその暗さが際立った。
男への飢餓感と懲罰の食事制限による飢餓感が重なる演出だとか、性的フラストレーションが全面的に解放される素晴らしいシーンだとか、この映画は見所が満載だ。特に、所長から目を付けられた女が拷問に遭う最後のシークエンスは『箱の中の女』などでも見られる小沼勝のハードな演出が注入されていて、じわじわと盛り上がる。
なかなか良いプログラムだった。3本立ての内もう1本は時間の都合でラスト5分しか観ていないが、新田栄監督作は頻繁に観られるのだし、特にチェックする必要もないだろう。4月7〜13日のプログラムはちょっとそそられる。佐藤寿保監督作『ロリータバイブ責め』に加え、韓国製ポルノ『韓国美人姉妹 不貞の人妻』、さらに『和風旅館のロシア女将 女体盛り』と国際的な顔ぶれである。