アメリカ?

tido2006-03-31

昨夜レイトショーで。
ミスティック・リバー』でショーン・ペンの妻役が印象的だったローラ・リニーがなかなか良かった。それと対照的に、悪魔の犠牲になるエミリー役のジェニファー・カーペンターがうまく体現した「感じやすさ」があまりにも暗く悲しい世界観を支えているように思えた。ホラー映画と呼ぶのははばかられるが、基本的な怖がらせ方の有効性が的確に証明されていたのではないか。

今朝モーニングショーで。
ブレヒト的覚醒? 個人差はあるかもしれないが、この手の演出にも慣れてしまうというのが本当じゃなかろうか。俳優の演技といくつかの小道具・大道具、生活音ぐらいがあれば事足りる。実際『ドッグヴィル』だって楽しめる物語だったように思う。さすがに、ストローブ=ユイレの映画には「覚醒」させられ、同時に眠気を覚えてしまうが。
マンダレイ』は『ドッグヴィル』でニコール・キッドマンが演じたグレースを中心として、まるで様々な要素が反転したかのような物語が語られる。今回は閉鎖的な村に加えて、奴隷制もかかわってくる。グレースを演じるのはロン・ハワードの娘ブライス・ダラス・ハワード。『ヴィレッジ』の盲目の少女役が良かった。『マンダレイ』のグレースもなかなか良い。ぼくは好きだ。風呂で黒人の裸体をのぞいて欲情をおさえきれず、寝床に布団で「こぶ」をつくってオナニーに耽ってしまったり……。権力を振りかざしつつも脅えているかのような緊張感を帯びた表情がたっぷりと眺められる。最後の方にはお約束も。ニコール・キッドマンが出演を断るわけだ。真相は知らない。
次作『WASINGTON』の主演女優は気になるが、それはさておき、その後にラース・フォン・トリアーが3部作をやるとしたらサイレント、あるいはデレク・ジャーマンの『BLUE』みたいに音声だけとか。