P業界の次世代

SANKYO、サミー、フィールズの三社によって昨年末に新宿駅南口に開校されたゲーミング&エンタテインメントビジネススクール。4月からいよいよ開講である。ざっとパンフレットなどに目を通した感じでは、コナミがゲーム業界でやっている就業に直結した技術者育成学校と似たようなものだと思われる。業界としての成熟に向けて、このような試みをするのは良いと思う。一方でP業界独自の「匂い」が失われてしまうようで寂しくもある。釘師などといった人間が跋扈する世界は怪しくも惹かれてしまうものなのだ。こういった大手の資本による人材育成によって成熟したアミューズメント化が達成されると、そういった怪しさの魅力は失われてしまう。
現に、マルハンダイナムといった大手ホールは明るくクリーンな感じはするし、客も手近に人気機種が打てるという便利さと、派手なイベント、金のかかった広告戦略によってせっせと貢いでしまっているわけで、上場も目前という優良企業に成長しているが、地域密着型の中小ホールにあるような魅力はまったく感じられない。あまり見かけないような機種があったり、派手なイベントを打たなくてもちゃんと客に還元したりする優良ホールには、常に何かが起こるという期待感がある。ギャンブルの何かが起こるという期待だけでなく、例えば朝5時に並んで、顔見知りになったじいさんと「エヴァンゲリオン」の話をすることだってある。パチンコで鍛えられたせいか、意外にもキャラに詳しかったりする人もいるのだ。
湯川栄光著『パチンコ沈没』のホール紹介にもそういった優良ホールが登場する。前述のビジネススクールがメーカーにとって良い結果となれば幸いであるが……