真夜中の池袋を徘徊する

土曜の深夜にピンク映画を観たのは時間つぶしのためだった。4月から仕事を始めて、その一方でそれまで主な収入源だった掛け持ちの2〜3のバイトをうまくやりくりできなくなり、またスロットの収支も芳しくなく、生活資金が不安定な状態が続いている。この土日のイベントを利用してスロットで一気に勝負をかけようと心に決めていた。土曜はうまくいった。DQNスロットとして昨年はパチスロ界を大いに騒がせた「鬼浜爆走愚連隊」(アビリット)に稼がせてもらった。「ツッパリ・ハイスクール・ロックン・ロール*1」も3回ほど聞けた。
日曜は、いよいよ6月に迫った「みなし機」の撤去、それに際して行きつけの店でみなし機の人気台「大花火」(アルゼ)の最後のイベントが開催されるので、それを目当てに並ぶつもりだった。あいにくの雨。終電間近に池袋に出て、↑のピンク映画3本立てを観て、目当ての店の前を窺うと、深夜2時の時点ですでに7人ほど並んでいた。雨の中ご苦労なことだ。しかし、前日のメールで朝一は抽選で台開放となっていたので、あまり早く並んでもメリットがない。だから、朝になるまでぼくは時間をつぶすことにした。
雨のせいもあって池袋の街は閑散としていた。泥酔して雨の中を転げ回っているような輩はいたけど、風適法のためかやはり客引きはほとんどいない。外国人の女性が「マッサージいかがですか?」と声をかけてくるのをのぞけば、黒服の客引きがロマンス通りのあたりに数人といったところ。そのうち雨の中を徘徊するだけで微妙に濡れてしまったので、朝まで久しぶりにテレクラでもやろうと思って西口のリンリンハウスに行ってみた。しかし、コールが受けられるのは朝5時からだった。それまでの時間もナイトパックで滞在できるが、それならマンガ喫茶に行った方が良い。店長らしき人は法律が厳しくなって……と嘆いていた。
テレクラは諦めて風俗無料案内所に暇つぶしに行ってみた。何かの雑誌で、改正風適法に際してそこも変わったと読んだ記憶があったからである。任意に訪れた案内所には黒服が5人ぐらいいた。客も数人いた。まるでデパートやブティックの販売員のように好みや予算などを事細かに訊ねられ、備えられあるインターネットにて提携している店のHPを閲覧させられ、口を挟まないでいるとすぐにお店へと連れていかれそうな勢いである。他の団体客を案内しているうちに、そっと帰ろうとすると素早く発見され引き止められたけど、時間があったらまた後で来ますよと言って何とか脱出に成功した。単にその店舗がそんな感じだっただけなのかもしれないけど、ぼくの風俗無料案内所の印象はもっとフリーな感じで、個々人が勝手に割引チケットを物色するといった印象だったので少し戸惑った。今日は風俗に行くぞ、と完全に心に決めている人が案内してもらう場合には良いかもしれないが、冷やかしは難しそうである。
その後にも一騒動あって、ようやく6時前にスロット店の列に並んだのだった。もうその頃には体力を消耗していて、降り続ける雨のために身体が冷えきってしまっていた。正直、帰りたくてしょうがなかった。でも、なんとかふんばって、8時半に整理券を配布され、10時前に再集合。抽選開始。ぼくは9番目だったけど、あっさりハズレを引いて最後の大花火を打ち上げることは叶わなかった。それが影響したのか、最初に座った台で多少負けた後、高設定くさい台を拾って、大逆転を目指して展開の悪さに耐え忍んで打ち続けたが、後半から急激に低設定の動向を示し始めたために、引き際を間違えて大敗をしてしまった。最後の1時間は地獄だった。
というわけですべてをかけて臨んだ勝負に破れてしまい……気力、体力、時の運もすべて消耗してしまったようなので、ふらふらになりながら明日から出直そうと、とりあえず帰り際に張り紙で見つけた深夜のスーパーのバイトの面接に申し込んできた。もう今日は何も考えたくない。泥のように眠ることが先決である。

*1:鬼浜ではボーナス後「仁義なき抗争」などの演出で即連してBIGを引くとこの曲が流れる。