お囃子と曇り空

池袋新文芸座にて。
せっかくの週末なのに、ちょっとした用事などでなかなか家に帰る事が出来ず、まとまったことが書けそうにない。「昭和ガメラ」の湯浅憲明がこの映画で助監督をやっていたんだなと初めて気づく。圧倒的な会話劇を見事なテンポと構図で見せられ、いつまでもこの詐欺一家の様子を眺めていたい気にさせられたけど、あっという間に終わった。併映の『けものみち』が割と長尺だったので、用事との都合で観られなかった。
『しとやかな獣』を観ていてふと気づいたのは、押井守の『御先祖様万々歳!』はおそらくこの映画を下敷きにしているんじゃないかということである。圧倒的な会話劇に時おり差し込む、何気なくも深遠な沈黙、そして異次元的な独白とお囃子。当時の演劇の手法か何かを用いたんじゃないかと思っていたけど、こうして『しとやかな獣』をじっくり観ると、押井守はかなり意識してやってるんじゃないかと思った。あまりこの映画の話とは関係ないけど。