画面の情報量としてのアクション

近くのシネコンにてレイトショーで。
基本的なストーリーラインはほとんど同じにもかかわらず、『イーオン・フラックス』になかったものがこの映画にはすべて詰まっていた。さすが『リベリオン』の監督。ひたすらアクションが心地良い。冒頭5分で見事にやられた。うろ覚えだけどファイト・コレオグラファーはマイク・スミスだったか……。アクションは舞踏であり、段取りは振り付けとなる。さらにCGが画面の情報量を豊かに彩る。スーツに身を包んだ役者をCGが補助するのではなく、CG世界に役者が添え物となるでもなく、その中間で両者が見事に融合する。その絶妙さがひたすら心地良い。
ミラ・ジョヴォヴィッチは適役だと思う。『バイオハザード』でもそうだが、ミラ・ジョヴォヴィッチは加速すると技術に生身を拮抗させようとするかごとき痛々しさを帯び始める。『ジャンヌ・ダルク』では空回り気味に思えなくもなかったそれが、ハリウッドのアクション映画においては緊張感をみなぎらせているように思える。トリニティの女優にはない部分が魅力的なのだ。それゆえに、最強の女戦士であるにもかかわらず、子供になびくというちょっと飛躍のある展開に何とかついていけるのである。加えて、子役の佇まいもなかなか良かった。