フレンチ・クルーラーな関係

  • イノセント・キス【原題:姉妹どんぶり 抜かずに中で】(監督/出演:吉行由実、脚本;五代暁子、出演:貴奈子、石川雄也etc)

吉行由実監督2作目。DVDにて。
冒頭の自由な感じのする会話が良い。撮影方法といい、音楽といい、ジャズっぽいのにポップ。特典にある切通理作吉行由実の対談にも出て来るけど、キャスティングが絶妙。すべてがうまく絡み合って、せつなくポップなピンク映画の傑作が生まれたのだろう。
これも特典にあるが『センチメンタル・メロンソーダ〜フレンチ クルーラ−のレシピ〜』とそのメイキングは必見。吉行由実林由美香が女子高生の格好でフレンチ・クルーラーをつくるだけという内容だけど、他愛ない女の子の会話が瑞々しくて見ているだけで楽しくなってくる。この関係が『ミス・ピーチ』にもつながってくるんだな……と思いつつ、もうこのコンビによるピンク映画が観られないという哀しみも込み上げてきた。

P業界の次世代

SANKYO、サミー、フィールズの三社によって昨年末に新宿駅南口に開校されたゲーミング&エンタテインメントビジネススクール。4月からいよいよ開講である。ざっとパンフレットなどに目を通した感じでは、コナミがゲーム業界でやっている就業に直結した技術者育成学校と似たようなものだと思われる。業界としての成熟に向けて、このような試みをするのは良いと思う。一方でP業界独自の「匂い」が失われてしまうようで寂しくもある。釘師などといった人間が跋扈する世界は怪しくも惹かれてしまうものなのだ。こういった大手の資本による人材育成によって成熟したアミューズメント化が達成されると、そういった怪しさの魅力は失われてしまう。
現に、マルハンダイナムといった大手ホールは明るくクリーンな感じはするし、客も手近に人気機種が打てるという便利さと、派手なイベント、金のかかった広告戦略によってせっせと貢いでしまっているわけで、上場も目前という優良企業に成長しているが、地域密着型の中小ホールにあるような魅力はまったく感じられない。あまり見かけないような機種があったり、派手なイベントを打たなくてもちゃんと客に還元したりする優良ホールには、常に何かが起こるという期待感がある。ギャンブルの何かが起こるという期待だけでなく、例えば朝5時に並んで、顔見知りになったじいさんと「エヴァンゲリオン」の話をすることだってある。パチンコで鍛えられたせいか、意外にもキャラに詳しかったりする人もいるのだ。
湯川栄光著『パチンコ沈没』のホール紹介にもそういった優良ホールが登場する。前述のビジネススクールがメーカーにとって良い結果となれば幸いであるが……

受傷事故防止という方便

  • ウッド警棒を新規に配備@「日刊警察」より

 愛知県警察本部交通指導課(渡邊進一課長)は、受傷事故防止対策の一環として交通部で使用する交通取締り車両にウッド警棒を新規に製作して今月から配備運用を開始した。1台2本ずつ積載して、有事の際に躊躇せず使用することにより受傷事故を防ぐために導入したもの。標準でガラスクラッシャーが付属されており、検問時における亀の子状態でも車両のガラスを割り逮捕することができる。

どうも「日刊警察」を読んでいると、こういった記事の場合に限って妙に力が入っている節がある。暴走族根絶のために「煙草の投げ捨てを軽犯罪法違反と捉えて現行犯逮捕する等、ありとあらゆる法令を駆使して検挙した」という文言を並べていたり、この記事でも「交通街頭活動中における職務執行に対し警棒を使用する事案に遭遇した際は、積極的に活用して受傷事故の絶無を図る」とあった。その反面、通常は8ページ構成なのに、2ページだったり4ページだったりすることもあって、他にトピックはないのかと思わざるをえない。ウッド警棒の話題には半ページほど割かれていた。
ちなみに1本が税抜970円だそうだ。