世代論を超えて

http://d.hatena.ne.jp/churos/20040128#p6
id:churosさんの28日の日記で触れられていた斎藤環著『解離のポップ・スキル』を読みたいと思って買いに行くため、わざわざ大学の生協まで出かけたのに売っていない。近くの本屋をのぞいたけど見当たらなかった。この喪失感は衝動買いで埋められるしかなかった。衝動買いリストは以下の通り。

  • 『「わいせつコミック」裁判』(長岡義幸著)
  • 『ぼくたちの七〇年代』(高平哲郎*1
  • 椎名林檎VSJポップ』(阿部嘉昭著)
  • 『薔薇と十字架』(A.ブローク著)

ぼくが常々関心を抱いていた分野の本がちょうど出そろっていたので迷わず買ってしまった。まるで陰謀のようにひとつのルート上に置かれていた。これぞアーキテクチャによる欲望の管理か!最近はバイト尽くしで金をつかう暇もなかったので、まあ良しとする。
文學界』の最新号を立ち読みした。もちろん阿部和重の『ミスティック・リバー』評を。さすが『シンセミア』を書いた小説家。イーストウッドの「死者の視線」を見事に読み解き、重厚で神懸かり的な『ミスティック・リバー』の物語を創出せしめている。もちろん、映画というジャンルからのアプローチも欠かさず、フィルムの傷=イーストウッド的聖痕、あるいはカメラによる上下の構図、それらを分け隔てるものとしての「ミスティック・リバー」という読みに感銘を受けた。批評とはこういうものでなくては…。
さて、バイトへ。

*1:「高」という字が微妙に違うのだが、ぼくのパソコンでは出てこない。