エルメスは昭和の匂い

周回遅れの話題ではあるが……。「池袋と映画の本」と題されたフリー季刊冊子「buku」の夏号に中谷美紀のインタビューが載っていた。

私がイメージしたエルメスという人物は、昭和の匂いというか、小津映画の原節子さんのように、父親にも敬語を使うような、ああいう古風な日本の良き女性という感じでした。

実際に映画を観た印象とは違うが、もしかすると中谷美紀は小津映画の孕む非現実感をそのように嗅ぎとっていたのかもしれない。